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サイト「Nanayo-Duki」と連動した紀和沙のブログ。日記・サイト更新情報・創作お役立ち本レビューなど。イラスト・小説などの作品はサイトにあります。詳しくは、右中段のリンクから!
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だいぶ前に読んで書いた、本の感想文が出てきたので、アップ。
長い&ネタバレありですので、続きでどうぞ。

■『カッコウはコンピュータに卵を産む』
 (クリフォード・ストール 著、池央耿 訳、草思社、1991年)

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近年日本ではインターネットが爆発的普及を果たし、全国700万人が利用する掲示板すら存在する。好意的に見れば、ネットは「万能」であり「無限の可能性」を秘めたものとして見られている。

だが「無限の可能性」とは悪意が出る可能性も含んでいるのだ。当然ながら、ネットの波の中に潜り込み、悪さをする人間はいる。だがそれすら、今は何だか当たり前のことになりつつある。ウイルスは氾濫し、それを防ぐ方法も後から後から湧き出してくる。殺人予告でも皆驚かない。

そんな中で、この本はとても新鮮に感じられた。

まだコンピュータが十分に発達・普及していなかった時代――その頃に、ハッカーと戦った天文学者の姿。それは、インターネットの「万能」にどっぷり漬かった私に、ひとつのことを思い出させてくれた。どんな機械の向こうにも、人間がいると――。

物語の舞台である1986年といえばちょうど私の生まれた年で、我が家の電話はダイヤル式だった。ISDNやADSL、光ファイバーはおろか、インターネットひいてはコンピュータすら想像も出来なかった時代だ。その時代に、コンピュータシステムの利用料金のわずかな誤差からハッカー大追跡劇を演じた筆者には、ひたすら頭の下がる思いだ。私ならさっさとシステムの穴を塞いでベッドに潜り込むところである。

またこの本は、コンピュータとは別の見方も出来る。追跡劇の中で、筆者は各関係機関をたらい回しにされ、説明やデータを求められ、そして結果の説明を渋られ、辟易する部分が出てくる。ここを読めば、いかに行政が説明責任を果たさないところであるか、「今も昔も変わらないな」と思ってしまう。

この本は、ある程度コンピュータの知識がある者でないと、途中で読む事を頓挫してしまいそうだ。だが、コンピュータに携わる者なら、一度読んでおいて損は無いと思う。

システムを作るのも人間、システムで悪さするも人間。そしてそれを追いかけるのも人間なのだ。それを忘れて、今日のインターネット社会は存在し得ない。

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記録によると、2006年1月ごろに書いた文章。
いまとあんまり変わらないなぁ…自分の文章力…。
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紀 和沙 (KINO Kazusa)
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自己紹介:
サイト「Nanayo-Duki」と連動するブログです。

オリジナルのイラスト・小説・ハンドメイド作品などの創作活動を展開。おもにオンライン上で発表しています。モットーは「おもしろければ何でもいい」。あと古典が好き。最愛は日本中世(平安末~室町)期。

ちまちまと投稿もやってます。
ライトノベルレーベル中心。お見かけの際はどうぞごひいきに。

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