サイト「Nanayo-Duki」と連動した紀和沙のブログ。日記・サイト更新情報・創作お役立ち本レビューなど。イラスト・小説などの作品はサイトにあります。詳しくは、右中段のリンクから!
マンガ雑誌「サムライエース」創刊記念、「サムライエーストークセッション」を聴きに行ってきました!
なお、このレポートは、イベント中に取ったメモと、記憶をもとに再現しています。なので、時系列の前後や、各先生方の発言の正確さに、ややあやしさがあることを、ご承知おきください。
それでは、まず第一部のレポートをしたいと思います。
第一部は、『サムライエース』と同じ、角川の『コミック怪』トークセッション。
司会は、『コミック怪』の編集者さんだそう。といっても、いきなり着席する司会。司会ってこんな軽かったっけ?的な、すごい簡潔な挨拶でした。
おおい、せっかく能楽堂を借りてんだから、もうちょっとシャキッとやろうやー。などという心の声は置いておいて。
ここから、京極夏彦先生と志水アキ先生がご登場。拍手に包まれる場内。
京極先生からの、「これ(第一部)って『古事記』も『サムライエース』も関係なくね?」的な軽いジャブから、『古事記』についての話が始まりました。
何でも、京極先生が「小説を書こう!」と思い立ったとき、「……で、小説って何よ?」という疑問に当たったんだそうな。そもそも小説は、江戸時代までは文語体で書くものだった。それが明治時代に「言文一致」運動が起こって、いまのカタチになっていったと。
ところが、「言文一致」に似たものを、日本はすでに持っていた。それが『古事記』なんだって。なぜなら『日本書紀』が漢文(※当時の公式文書の書き方)で書かれているのに対して、『古事記』は和語満載。「ああ、文章ってこう書けばいいんだ」的な参考になったんだそうな。
ここからはデビュー作『姑獲鳥の夏』のお話。
書いたのは30歳。応募した時は31歳(1994年)。
元ネタを考えたのは、そのさらに18年前、20代の頃だったそう。しかも、ご自分でマンガにするために考えたネタだったそう。でも、
「あ、これ(ビジュアル化は)無理じゃん」
って思ってお蔵入りにしたんだそうです。そりゃそうですよねー。
「だって、そこにいたのに見えなかった!って話なんだもん!」(@京極先生)
そして、小説家デビューしてからも、映像化できない作品ばっかり書いてきたんだそうな。
京極先生自身、人物の外見はいろいろ文章で描写してますが、頭の中でビジュアル化はしない派なんだそうです。
「だってイメージしたら説明文みたいになっちゃう。説明文ではなく、文章を書いてるわけだから」
というのが理由だって…。志水先生はこれにも驚いてました。
「明確なイメージがあって書いてるんだと……」
と仰っていた志水先生に、全面同意!
でも、映画化したし、マンガ化したし、アニメ化もしましたね。
ビジュアル化について、映画は原作読者から「ええー…」な反応が返ってきたのに対し、志水先生のマンガについては「イメージ通りでした!」とおおむね好評なんだそうです。それって、大・成・功!
編集さんも、最初に志水先生が描いた絵を見て、「これはイケる!」と確信したんだそうです。その時の絵は、『狂骨の夢』で、朱美さんが海に向かって真水を投げるシーンだったそうです。
それから、これは秘話といえるかもしれませんが。
最初、『魍魎の匣』からマンガが始まったのは、ちょうど『姑獲鳥の夏』の映画が始まっていた頃だったからだそうです。そーだったんだー。
志水先生ご自身も、小説版の『魍魎の匣』から、京極堂シリーズに入ったんだそうです。ご友人に薦められたとか。んで、『姑獲鳥の夏』を読んで『狂骨の夢』を読んで……今に至るのだそう。
いまは『狂骨の夢』の、「憑き物落とし」のシーン描写に入ったそうで、
京極先生:「もう画面真っ暗」
志水先生:「アシスタントさんが(描く背景がなくて)すごく"楽"って言ってました」
京極先生:「"楽"だと思って書きました!(キリッ)」
で会場爆笑。
逆に、『百器徒然袋』の「瓶長」の描画は大変だったそうです。部屋一面に無数の壺ですからね…。「無数の壺」をアシスタントさんらが描くだけで、2週間はかかったそうです。
そんな志水先生がぽろっと、
「イケメンはそんなにバージョンないですが、おじさんなら千人描けます」
とこぼすと、京極先生が、
「じゃあ俺、『おっさんの波』って小説書くわ!」
という場面もありました。もちろん会場爆笑。
そんなこんなで楽しかった第一部、志水先生から重大発表が!
「現在の『狂骨の夢』の連載が終わったら、『姑獲鳥の夏』の連載が始まります!」
厳密には『コミック怪』vol.21(来年1月)から、『姑獲鳥の夏』が始まるそうです。久遠寺家の女性陣のキャラクターデザイン画(ラフ)も公開されまして、会場は大盛り上がり。
京極先生も、新作の『鵺の碑』は年内に出したいそうで、鋭意お仕事中だそうです!
ほかにも面白い話題がたくさんありましたが、もう書ききれますぇん…(笑)
とりあえず、これで第一部のレポートを締めます!
第二部のレポートはまた後日!
なお、このレポートは、イベント中に取ったメモと、記憶をもとに再現しています。なので、時系列の前後や、各先生方の発言の正確さに、ややあやしさがあることを、ご承知おきください。
それでは、まず第一部のレポートをしたいと思います。
第一部は、『サムライエース』と同じ、角川の『コミック怪』トークセッション。
司会は、『コミック怪』の編集者さんだそう。といっても、いきなり着席する司会。司会ってこんな軽かったっけ?的な、すごい簡潔な挨拶でした。
おおい、せっかく能楽堂を借りてんだから、もうちょっとシャキッとやろうやー。などという心の声は置いておいて。
ここから、京極夏彦先生と志水アキ先生がご登場。拍手に包まれる場内。
京極先生からの、「これ(第一部)って『古事記』も『サムライエース』も関係なくね?」的な軽いジャブから、『古事記』についての話が始まりました。
何でも、京極先生が「小説を書こう!」と思い立ったとき、「……で、小説って何よ?」という疑問に当たったんだそうな。そもそも小説は、江戸時代までは文語体で書くものだった。それが明治時代に「言文一致」運動が起こって、いまのカタチになっていったと。
ところが、「言文一致」に似たものを、日本はすでに持っていた。それが『古事記』なんだって。なぜなら『日本書紀』が漢文(※当時の公式文書の書き方)で書かれているのに対して、『古事記』は和語満載。「ああ、文章ってこう書けばいいんだ」的な参考になったんだそうな。
ここからはデビュー作『姑獲鳥の夏』のお話。
書いたのは30歳。応募した時は31歳(1994年)。
元ネタを考えたのは、そのさらに18年前、20代の頃だったそう。しかも、ご自分でマンガにするために考えたネタだったそう。でも、
「あ、これ(ビジュアル化は)無理じゃん」
って思ってお蔵入りにしたんだそうです。そりゃそうですよねー。
「だって、そこにいたのに見えなかった!って話なんだもん!」(@京極先生)
そして、小説家デビューしてからも、映像化できない作品ばっかり書いてきたんだそうな。
京極先生自身、人物の外見はいろいろ文章で描写してますが、頭の中でビジュアル化はしない派なんだそうです。
「だってイメージしたら説明文みたいになっちゃう。説明文ではなく、文章を書いてるわけだから」
というのが理由だって…。志水先生はこれにも驚いてました。
「明確なイメージがあって書いてるんだと……」
と仰っていた志水先生に、全面同意!
でも、映画化したし、マンガ化したし、アニメ化もしましたね。
ビジュアル化について、映画は原作読者から「ええー…」な反応が返ってきたのに対し、志水先生のマンガについては「イメージ通りでした!」とおおむね好評なんだそうです。それって、大・成・功!
編集さんも、最初に志水先生が描いた絵を見て、「これはイケる!」と確信したんだそうです。その時の絵は、『狂骨の夢』で、朱美さんが海に向かって真水を投げるシーンだったそうです。
それから、これは秘話といえるかもしれませんが。
最初、『魍魎の匣』からマンガが始まったのは、ちょうど『姑獲鳥の夏』の映画が始まっていた頃だったからだそうです。そーだったんだー。
志水先生ご自身も、小説版の『魍魎の匣』から、京極堂シリーズに入ったんだそうです。ご友人に薦められたとか。んで、『姑獲鳥の夏』を読んで『狂骨の夢』を読んで……今に至るのだそう。
いまは『狂骨の夢』の、「憑き物落とし」のシーン描写に入ったそうで、
京極先生:「もう画面真っ暗」
志水先生:「アシスタントさんが(描く背景がなくて)すごく"楽"って言ってました」
京極先生:「"楽"だと思って書きました!(キリッ)」
で会場爆笑。
逆に、『百器徒然袋』の「瓶長」の描画は大変だったそうです。部屋一面に無数の壺ですからね…。「無数の壺」をアシスタントさんらが描くだけで、2週間はかかったそうです。
そんな志水先生がぽろっと、
「イケメンはそんなにバージョンないですが、おじさんなら千人描けます」
とこぼすと、京極先生が、
「じゃあ俺、『おっさんの波』って小説書くわ!」
という場面もありました。もちろん会場爆笑。
そんなこんなで楽しかった第一部、志水先生から重大発表が!
「現在の『狂骨の夢』の連載が終わったら、『姑獲鳥の夏』の連載が始まります!」
厳密には『コミック怪』vol.21(来年1月)から、『姑獲鳥の夏』が始まるそうです。久遠寺家の女性陣のキャラクターデザイン画(ラフ)も公開されまして、会場は大盛り上がり。
京極先生も、新作の『鵺の碑』は年内に出したいそうで、鋭意お仕事中だそうです!
ほかにも面白い話題がたくさんありましたが、もう書ききれますぇん…(笑)
とりあえず、これで第一部のレポートを締めます!
第二部のレポートはまた後日!
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オリジナルのイラスト・小説・ハンドメイド作品などの創作活動を展開。おもにオンライン上で発表しています。モットーは「おもしろければ何でもいい」。あと古典が好き。最愛は日本中世(平安末~室町)期。
ちまちまと投稿もやってます。
ライトノベルレーベル中心。お見かけの際はどうぞごひいきに。
拍手・コメント歓迎。
創作物への感想・ご意見、またご依頼等は、こちらのメールフォームをお使いください。
(サイトのメールフォームをお使いいただいても結構です)
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