サイト「Nanayo-Duki」と連動した紀和沙のブログ。日記・サイト更新情報・創作お役立ち本レビューなど。イラスト・小説などの作品はサイトにあります。詳しくは、右中段のリンクから!
さる6月30日、マンガ雑誌「サムライエース」創刊記念、「サムライエーストークセッション」を聴きに行ってきました!会場は奈良県新公会堂にある、能楽堂です。
第一部のレポートとかなり間が空いてしまいましたが、第二部をレポートしたいと思います。
なお、このレポートは、イベント中に取ったメモと、記憶をもとに再現しています。なので、時系列の前後や、各先生方の発言の正確さに、ややあやしさがあることを、ご承知おきください。
第2部のゲストは、夢枕獏先生、安彦良和先生のお二方。
わたし、夢枕先生のファンなので、興奮しまくり。なんというか、パワフルなお方という印象を受けました。
夢枕先生、安彦先生は20年以上前からのお知り合いだそうですが、こういったトークイベントでの共演は初めてだそうです。なお、当日の会場は能楽堂でしたが、夢枕先生はこういった檜舞台でお話しするイベントは3回目くらい経験ありとのこと。ふぇー、すごいなー。
いいですよねぇ、能楽堂。風情はあるし。でも電子設備にちょっと難があるか。プレゼンには向かんな。
と、余談は置いといて。
夢枕先生は、奈良県に年2回ほど来られるそう。小説の取材のためだとか。阿倍仲麻呂関係の冒険譚の取材で、奈良を訪れたそうです。あー面白そう。阿倍仲麻呂も、面白い史実と伝承に包まれた人なので、小説にするならステキですよね。
さて、そんな取材つながりで安彦先生はというと、
「アニメーターをやめてマンガ家になったとき、取材で外に出られるのがうれしかった」
という、アニメーターの激務ぶりをちょっと想像してしまうコメント。
さ、そんなお二方の『古事記』トークが、いよいよ始まりました。
……といっても、話はすぐ『日本書紀』に脱線し、そこに登場する「当麻蹴速(タイマノケハヤ)」と「野見宿禰(ノミノスクネ)」のし合いがすごいというトークに。この二人は真の強者を決するため、「すまひ」を行うわけですが、二人は「蹴り合い」を行ったと。蹴速は「強い者と生死を問わない勝負を望むぜ!」的な人で、その言葉通り、野見に敗れて死んでしまいます。
そんな様子を、格闘技大好きな夢枕先生が、アツく語るのなんのって! 格闘技の話になると、さらにキリッとした「語る喜び」を感じておられるように思えました。
さて、この勝負に勝った野見は、その後「野見→土師(ハジ)→菅原」と姓を変え、これが菅原道真の祖先になったそうな。つまり武から文へ、子孫は移行していったのですね。
でもここで、私はハッと気づきました。
菅原道真は、死後は怨霊・天神と化した人。そして、神や鬼といったモノの多くは、人を「蹴り殺す」という表現が多く出てきます。菅原公は雷を落とすイメージが強いですが、神という領域に入るモノと考えれば……やはり、野見氏というのは「蹴り技」から逃れられないのかーと思います。
自分でもずいぶん飛躍した思考だと感じますが、だがそれがおもしろい(ニヤッ)
話をイベントに戻しまして。
歴史物を書くにあたって、お二方の考えておられることなどもトークの中で語られました。夢枕先生は、
「古代の話は、読者が(どの程度)ついてこられるかわからない。どうにかして現代とつなげて話(小説)にしたいが、方法論がわからない」
と仰ってました。夢枕先生ほどの方でも、模索中なんですね…。歴史ネタが難しいわけだわ…。
安彦先生は、「ヤマトタケル」を連載するにあたり、
「『古事記』の人物は架空だ、というのはつまらない。限りなく「いたんだ」という風にして、何故その人が各地の伝承と結びついたのか。史実だと思って描く。『古事記』と『日本書紀』をセットにして考えると、おもしろい」
ということで、ヤマトタケルという人物を描いてゆくおつもりのようです。
夢枕先生は、「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」について、
「空海は、日本人で最初にワールドを意識した人物。人や神を誑(たら)すのが上手い」
と空海の人物像をお話されました。高野山の開闢にあたっても、地元の神とうまく共生したと。
お二方はともに、日本の古い神については、「ただごとじゃない」印象をお持ちだそうです。たしかに、アニミズムとかご神体が石ころとか、縄文系の神とか弥生系の神とか、もう色々ありますもんね。
個人的には、神仏習合と中世神話もカオスでおもしろいよ!と思ってますが、まぁそれは別の話ですね。
そんなこんなで、第二部は、濃厚な『古事記』『日本書紀』+格闘技トークで幕を閉じました。
そしてサインを!サインをいただいてきました!
「サムライエース」創刊号の、表紙に安彦先生、センターカラーに夢枕先生のサインをしていただきました。
ああ憧れの夢枕先生のサイン!宝物です!「沙門空海」、映画化したら見に行きます!! 来たれ密教ブ――ム!! みんなで「理趣経」読もうぜ!(テンションが上がっています)
楽しい時間をありがとうございました!
第一部のレポートとかなり間が空いてしまいましたが、第二部をレポートしたいと思います。
なお、このレポートは、イベント中に取ったメモと、記憶をもとに再現しています。なので、時系列の前後や、各先生方の発言の正確さに、ややあやしさがあることを、ご承知おきください。
第2部のゲストは、夢枕獏先生、安彦良和先生のお二方。
わたし、夢枕先生のファンなので、興奮しまくり。なんというか、パワフルなお方という印象を受けました。
夢枕先生、安彦先生は20年以上前からのお知り合いだそうですが、こういったトークイベントでの共演は初めてだそうです。なお、当日の会場は能楽堂でしたが、夢枕先生はこういった檜舞台でお話しするイベントは3回目くらい経験ありとのこと。ふぇー、すごいなー。
いいですよねぇ、能楽堂。風情はあるし。でも電子設備にちょっと難があるか。プレゼンには向かんな。
と、余談は置いといて。
夢枕先生は、奈良県に年2回ほど来られるそう。小説の取材のためだとか。阿倍仲麻呂関係の冒険譚の取材で、奈良を訪れたそうです。あー面白そう。阿倍仲麻呂も、面白い史実と伝承に包まれた人なので、小説にするならステキですよね。
さて、そんな取材つながりで安彦先生はというと、
「アニメーターをやめてマンガ家になったとき、取材で外に出られるのがうれしかった」
という、アニメーターの激務ぶりをちょっと想像してしまうコメント。
さ、そんなお二方の『古事記』トークが、いよいよ始まりました。
……といっても、話はすぐ『日本書紀』に脱線し、そこに登場する「当麻蹴速(タイマノケハヤ)」と「野見宿禰(ノミノスクネ)」のし合いがすごいというトークに。この二人は真の強者を決するため、「すまひ」を行うわけですが、二人は「蹴り合い」を行ったと。蹴速は「強い者と生死を問わない勝負を望むぜ!」的な人で、その言葉通り、野見に敗れて死んでしまいます。
そんな様子を、格闘技大好きな夢枕先生が、アツく語るのなんのって! 格闘技の話になると、さらにキリッとした「語る喜び」を感じておられるように思えました。
さて、この勝負に勝った野見は、その後「野見→土師(ハジ)→菅原」と姓を変え、これが菅原道真の祖先になったそうな。つまり武から文へ、子孫は移行していったのですね。
でもここで、私はハッと気づきました。
菅原道真は、死後は怨霊・天神と化した人。そして、神や鬼といったモノの多くは、人を「蹴り殺す」という表現が多く出てきます。菅原公は雷を落とすイメージが強いですが、神という領域に入るモノと考えれば……やはり、野見氏というのは「蹴り技」から逃れられないのかーと思います。
自分でもずいぶん飛躍した思考だと感じますが、だがそれがおもしろい(ニヤッ)
話をイベントに戻しまして。
歴史物を書くにあたって、お二方の考えておられることなどもトークの中で語られました。夢枕先生は、
「古代の話は、読者が(どの程度)ついてこられるかわからない。どうにかして現代とつなげて話(小説)にしたいが、方法論がわからない」
と仰ってました。夢枕先生ほどの方でも、模索中なんですね…。歴史ネタが難しいわけだわ…。
安彦先生は、「ヤマトタケル」を連載するにあたり、
「『古事記』の人物は架空だ、というのはつまらない。限りなく「いたんだ」という風にして、何故その人が各地の伝承と結びついたのか。史実だと思って描く。『古事記』と『日本書紀』をセットにして考えると、おもしろい」
ということで、ヤマトタケルという人物を描いてゆくおつもりのようです。
夢枕先生は、「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」について、
「空海は、日本人で最初にワールドを意識した人物。人や神を誑(たら)すのが上手い」
と空海の人物像をお話されました。高野山の開闢にあたっても、地元の神とうまく共生したと。
お二方はともに、日本の古い神については、「ただごとじゃない」印象をお持ちだそうです。たしかに、アニミズムとかご神体が石ころとか、縄文系の神とか弥生系の神とか、もう色々ありますもんね。
個人的には、神仏習合と中世神話もカオスでおもしろいよ!と思ってますが、まぁそれは別の話ですね。
そんなこんなで、第二部は、濃厚な『古事記』『日本書紀』+格闘技トークで幕を閉じました。
そしてサインを!サインをいただいてきました!
「サムライエース」創刊号の、表紙に安彦先生、センターカラーに夢枕先生のサインをしていただきました。
ああ憧れの夢枕先生のサイン!宝物です!「沙門空海」、映画化したら見に行きます!! 来たれ密教ブ――ム!! みんなで「理趣経」読もうぜ!(テンションが上がっています)
楽しい時間をありがとうございました!
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Re:お尋ねしたいことがあります
ハリーさん、初めまして。
お尋ねの件ですが、残念ながら8月号は所持しておりません。
お尋ねの件ですが、残念ながら8月号は所持しておりません。
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紀 和沙 (KINO Kazusa)
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自己紹介:
サイト「Nanayo-Duki」と連動するブログです。
オリジナルのイラスト・小説・ハンドメイド作品などの創作活動を展開。おもにオンライン上で発表しています。モットーは「おもしろければ何でもいい」。あと古典が好き。最愛は日本中世(平安末~室町)期。
ちまちまと投稿もやってます。
ライトノベルレーベル中心。お見かけの際はどうぞごひいきに。
拍手・コメント歓迎。
創作物への感想・ご意見、またご依頼等は、こちらのメールフォームをお使いください。
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