【11/9/11更新】長編3話分アップ！

Nanayo-Duki、[長編小説]更新。
現代和風ファンタジー長編「破鍋プルガトリオ」、下記3話分をアップしました。
・第三幕「鉄線エマージェンシー」
・第四幕「鬼神ローリング」
・エピローグ

これにて全話公開完了です！お楽しみください。
今回は約8万字と、前作よりも少なめです。

ネタバレありのあとがきも書きましたので、興味のある方はご覧ください。

『酒呑童子絵巻』には前々から魅力を感じており、それを題材にしたいと思ってました。

そして偶然出会ったのが、『義経地獄破り』。義経が地獄に落ちて叛乱を起こし、同じく地獄で獄卒をやってた酒呑童子らと対決する、という筋書きの話です。

こりゃー二つを融合させた話を書くしかない！というわけで、今回の作品ができました。

『義経地獄破り』で、義経は地獄の釜のフタを盗んで、戦のための武器を作らせています。

なので、「盗まれたフタ」、「フタのない釜」あたりから連想して、「破れ鍋に綴じ蓋」ということわざに行き着きました。ここから、主人公その1「破鍋東」が生まれました。同時に彼は、酒呑童子の生まれ変わりという設定です。

ヒロイン「竹葉夏木」は、酒呑童子の右腕・茨木童子の生まれ変わりという設定。最初は、「普段は真面目なのに、アズマのことになると変態的にデレる」というのを考えていたのですが、ちょっと変わりました。健気ッ子が好きなんだもん…。

彼女は、前世の記憶を受け継ぐものとして、地獄の召還なんかもできるという設定。
このあたりは、召還魔法があるゲームの影響を認めざるとえないですね（笑）　大規模な召還って、なぜかバトルの〆に行われますよね！

主人公その2、「木曽路梁」。
彼は酒呑童子の怨敵・源頼光の生まれ変わりという設定。
ちなみに「梁」という字は、人名漢字ではありませんでした。なので暗に「これは現実の現代ニッポンとは違う世界の話なんだよ」ということを示していました。…ところが、人名漢字に改定が入ったため、現実でも「梁」の字が人名に使えるようになってしまいました。オゥノウ！！

最初はただの狂言回しの役のはずだったリョウ。ところが書き終わったらメイン主人公になっちゃってて、さらにオゥノウ！な感じです。
お調子者のほうが、書きやすいってことなんでしょうかね。

さて、今回はここに、熊野信仰にまつわるモチーフも取り入れました。
「南無帰命頂礼熊野三所大権現」は、『熊野の本地』などに書かれた呪文を、すこし改変して使っています。ほかの呪文も、だいたいは古典籍から採ったり連想したものになっています。

今回の反省点は、設定の甘さとキャラの弱さ、でしょうかね。
設定がちょっと甘かったので、それをキャラに反映し切れてないというか。ストーリーを進めるのが第一になっちゃって、キャラの魅力を魅せるシーンが弱くなった気がします。「戦いたくない」系主人公って難しいわ。
どういう設定にするか、という初歩のあたりで迷ったのも反省点。もっといさぎよくいきたい！

あとラストバトルで力尽きてるよ…ね…（ｶﾞｸﾘ）

今回の良かった点は、現代物×古典作品に挑戦したこと。
いかにして過去を現代にからめて展開させるか。それを考えるのは楽しかったです。

よし、次回もがんばります！